こんにちは!
前回までの記事で
「デニム」という素材がなんとなくどんなものかわかっていただけたかと思います。
今回からは更に深掘りして、
「どうやってデニムができるのか?」
を解説していきたいと思います!
デニム素材は上記の流れで生産されていきますが、
今回の記事では綿~紡績までを記載していこうと思います!
デニムの素材は「綿(コットン)」です。
(ストレッチデニムはプリウレタンが入ります)
よくTシャツなどにも使われる綿(コットン)ですが、
元々は「綿(わた)・綿花(めんか)」から作りだされます。
その綿花を糸にするまでにも非常に多くの工程があり、
その工程こそデニム素材になる第一歩になります。
そもそも綿って何?どこで採れるの?という話ですが、
明治中期までは自給されていた和綿ですが、
現代でも生産しているところはあるものの日本産の綿はほぼ絶滅しています。
(統計上の自給率は0%のようです)
現在でも綿花を生産する国は世界中に存在し、
日本でよく使われる原綿は主にアメリカなどの
綿生産国から輸入されています。
綿花で重要なのは
「一つ一つの綿の繊維の長さ」です。
超長繊維・長繊維・中長繊維・中繊維・短繊維
に分類されます。
長繊維になればなるほどソフトで光沢感がある生地に仕上がります。
次回説明いたしますが、
デニムは綿から糸(紡績)にしたあと、「染色」します。
そのため綿花を選ぶ段階で、
染色性のよさなどがよい上質な原綿を選ぶことが大切なのです。
ちなみに当店のデニムスーツの綿花の生産地は下記のとおりです。
7ozデニムスーツ「SORA」→滑らかな光沢感のあるペルー綿(ペルー)
7ozデニムスーツ「ZEKKA」→滑らかな光沢感のあるペルー綿(ペルー)
7ozデニムスーツ「YUEN」→滑らかな光沢感のあるペルー綿(ペルー)
8ozデニムスーツ「KORAKU」→しなやかで高級感のあるギザ綿(エジプト)
9ozデニムスーツ「ICHIYOU」→デニムらしいアメリカ綿(アメリカ)
10ozデニムスーツ「LIN」→デニムらしいアメリカ綿(アメリカ)
12ozデニムスーツ「GENTE」→デニムらしいアメリカ綿(アメリカ)
綿花に関しては上記のとおりですが、
紡績後の染色・織布の作業で風合いや完成図は大きく変わっていきます。
さて、綿(綿花)についてはわかっていただけたかと思いますので、
紡績について解説していきます!
紡績とはわかりやすく言うと
「繊維の方向を揃えて、引き伸ばし、撚り(ねじり合わせて)、糸にすること」です。
色々な工程を経て、糸になっていくのですが、
長くなるので割愛させていただき、
最終工程である「精紡」の話だけちょこっと。
日本で使用されている精紡方法として大きくわけて
「リング精紡」「空気精紡」があります。
ざっくり言うと
「リング精紡」
・風合いがでる
・コストが高い
・強度が強い
「空気精紡」
・均整度に優れていて、ばらつきが少ない。
・コストが安い。
・撚り構造が10-20%前後弱い。
・固めの仕上がりになる。
現状のでデニム生地は風合いや強度の関係で
リング精紡が好まれる傾向にあり、
高級ブランドのジーンズにはほとんど
リング精紡糸が使われています。
また一般的に特殊なものを除き
紡績するときは「左撚り」です。
ここで思い出していただきたいのが
前回の記事も触れた「綾織」です。
糸は「左撚り」です。
(左側にねじっていく感じです)
それを次の次の工程になりますが、
布にするときに綾織していく中で
「右綾」→糸が緩んでいく
「左綾」→糸が締まっていく
で違いがでてくるというわけです。
ちなみに通常のデニムはタテ糸だけが染められてできる
「先染め織物」なので
「タテ糸」→染色する
「ヨコ糸」→染色しない
このようになります。
タテ糸ヨコ糸ってなんだって話は前回の記事でも触れておりますのでご参考に!
綾織の図で見てみると・・・
こんな感じですね!
それではまた次回お会いしましょう!
次回は「染色」についてです。
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