生機デニムとは??
突然ですが「生機(きばた)」をご存じでしょうか??
生機という言葉自体は生地の状態で、染色や仕上げ加工される前の生地を指します。
「生成色(きなりいろ)」は絹の生機が「生成(きなり)」と呼ばれ、その素材の色味が語源となっています!
デニムは通常織りあがった後にねじれや縮みを防止するため、整理加工というものを行います。
整理加工とは、下記の工程をいいます
・毛焼き・・表面をガスバーナーで焼き、綿布の毛羽根を取り除いて表面をフラットにする作業
・スキュー加工・・綾織物特有のねじれを防止するための加工。湯や柔軟剤など仕上げ薬品を通してロールでねじります。
・防縮加工・・あらかじめ織物の収縮率を測定し、織物を強制的に収縮させながら熱処理を行う工程。サンフォライズ加工ともいいます。あらかじめ縮めておくことで、これ以降縮みにくくするという加工ですね!
整理加工を行う事で風合いが良くなったり、洗濯での収縮を軽減できるということですね!
生機デニムは染色はされているものの、この整理加工をあえて行わないデニムを指します。
整理加工を行わないので凹凸感があり、光に充てると産毛のような起毛があります。
一見硬そうにみえますが糊付けをしていないので(厳密には糸の状態では糊付けされています)、意外と柔らかいのです!
生デニム≠リジッド??
「生デニム」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは生機デニムを指します!
「リジッド」と大きいくくりで同一に扱われることもありますが、厳密には
・生機デニム(生デニム)→整理加工がされていない
・リジッドデニム→整理加工がされている
とされています。
リジッドの中でもヴィンテージ感出すために、防縮加工はされているけど毛焼きは省略されているなど、一部の整理加工が省略されているものもあります。
全く整理加工のがされていないものが生機と呼ばれます!
生機とリジッドでozが違う理由とは??
ところでデニムは「oz(オンス)」という重さの単位が厚さの目安にもなっていますが、同じ生地でも「生機」と「リジッド」でozが異なるんです!
例えば先日ご紹介した「大戦モデル」。
リジッドだと14ozなのですが、生機だと12.5ozと1.5ozも差が生じます。
防縮加工はあらかじめ縮める加工を行うことで、同じ面積でも加工後の方が密度が高くなります。
そのため1平方ヤードあたりの重さが防縮加工されているリジッドの方が、ozが大きくなるというわけですね!
oz(オンス)・・1平方ヤード(1ヤード=91.44cm)あたり28.35gが1oz。
生機のリプロダクト生地採用しました!
リーバイスには「大戦モデル」「XXモデル」「ビッグEモデル」「66モデル」の4大ヴィンテージモデルがあります。
Denewでは66モデル・大戦モデルのリプロダクト生地を採用していて、特にオーダージーンズのお客様にはかなり人気の生地となっています!
リプロダクト生地とは・・希少性の高い当時の生地を顕微鏡で細部まで確認し、厚さ・ムラ感・色味を当時のままに再現している生地です。
Denewではリーバイス社の「大戦モデル」「501XX」の生機デニムのリプロダクト生地を取り寄せてみました!
生機デニムを取り扱うのは初!
現在生機XXモデルでジーンズをオーダーしており、完成を待っております!
独特の風合いはもちろん、ねじれ感も気になるところ・・
また洗濯したらどれくらいサイズ変わるかも見ていきたいので、完成が楽しみです!
ちなみに1960年以前のデニムはすべて生機といわれています。
よりヴィンテージ感をお求めの方にオススメの、上級者向けの生地となっています。
写真では中々伝わりづらいので、是非実際に生地の感じをお確かめ頂ければと思います!
クセが強いデニムを育てたいという方、オーダーお待ちしております!!
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